東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2021年10月23日]

【菊花賞】父の思い出はレースよりも帰りのバス!?

先週土曜日(10/16)の朝日新聞に拙稿「盟友としての馬」が掲載された。そのなかで

「絶好調に見える有力馬が、ひどく凡走すると、メンタル面の問題を考えたくなる。さらにまた、精神面でも牡馬と牝馬とはかなり差があるらしい。牡馬ならピシッと懲戒すれば素直に従いがちだが、牝馬は機嫌を損ねることが多いとは、厩舎人の実感らしい」と記している。まるで秋華賞の大本命ソダシの凡走が暗示されていたのでは? スタート前に機嫌が悪そうでゲートに先入れされ、おまけにゲート内で口をぶっつけ歯茎を傷めていたとは、サ(な)ンタルチア!とでも絶唱したくなる。繊細な女性から信頼を勝ちとるためには、ことさら慎重な配慮が必要とは、世の馬券オヤジは心しておくべきだろう。

アカイトリノムスメが本命でも単勝しかとれずトリガミ状態の口撃機関銃ヤマは、今回も皐月賞馬もダービー馬も不在で押し出された本命⑭ステラヴェローチェは軽視するらしい。代わって阪神競馬場で反撃しそうな⑰ヴィクティファルスが狙いとは、大胆な賭けに出る。相手は3000mのスタミナに恵まれそうな③タイトルホルダーと⑩モンテディオを厚めに総流しもありうるとか!

ギャンブル狂師ミノ先生は、勝たなければいけない血統の⑱オーソクレースを本命に菊花賞馬を父にもつ馬に流すらしい。穴党専科マスターは、G1を6勝の菊花賞馬ゴールドシップ産駒の⑨ヴェローチェオロを狙うというから、穴党の面目躍如。1番人気の⑭の須貝厩舎と同厩舎・同馬主であるから、人気薄を狙うとは定石どおりでもある。

さて、2004年の凱旋門賞をロンシャン競馬場で観戦した。勝ったのはバゴだったが、レースの思い出よりも帰りのバスになかなか乗れなかったことが印象に残っている。有馬記念のときの中山競馬場よりもひどかった感じだ。その後、事態は改善されたので、あらためてバゴの思い出も良くなった。そのせいか、やはりバゴ産駒の⑭ステラヴェローチェは捨てがたい。ディープインパクト牝馬の母馬が日本の馬場適性を補っており、3着は外さないだろう。もう1頭もディープ産駒の川田騎乗⑤レッドジェネシスでどうだろう。人気馬同士だから、2頭軸3連複総流しはやや厚めに買うことにする。


菊花賞

⑤-⑭ ワイド1点で勝負する

⑤-⑭ 2頭軸の3連複総流し16点でやや厚めに遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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